海外販売チャネルを増やそう

僕はeBayセラーさんに役立つ情報やサービスを提供しています。個人が海外向けに商品を販売する場合、間違いなくeBayは絶大な力を発揮します。でも、eBayオンリーでの販売にはリスクも伴います。今年の春のセラーアップデートではトップレーテッドセラー（TRS）の落札手数料割引を20%から10％に半減するなど、セラーにとって厳しい変更がありました。このようなポリシー変更などに対してセラーには打つ術がなく、言いなりになるしかありません。さらには突然、永久サスペンド通知が届くことさえあります。理由も明確に教えてもらえない上、不服申し立ても受け付けないというセラーからすると何とも理不尽なものです。

しかしながら、第三者が提供するプラットフォームでビジネスする以上、プラットフォーム提供者の意向に抗うことはできません。最大の解決方法は自分のe-commerce サイトを持つことです。最近はe-commerce サイト作成ツールが出回ったり、レンタルサーバー会社もe-commerce機能を提供するようになり、サイトを持つのは以前より敷居が低くなりました。それでも、サイト構築までにはまとまった努力と費用が必要です。そして何より、自分のサイトの宣伝、集客はとてつもなく難しいです。現実的な対応策は他者が提供するプラットフォームを複数所有することです。Amazon は新品の薄利多売に向いているプラットフォームで、中古品、ビンテージ品等を販売しているセラーにはあまり使い勝手がよくありません。そこで私がお勧めするのがEtsyです。（エツィと発音します。）

Etsyって？

Etsyは2005年に発足して、紆余曲折はありながらも右肩上がりに成長してきました。僕も2010年代に入ってEsty のことを耳にすることが多くなりました。３〜4年前だったと思いますが、日本からEstyを利用できなか調べましたが、バイヤーからの支払い受領、Etsyへの手数料支払いの決済にアメリカの銀行口座が必要でした。でも、先日、eBay で永久サスペンドになったセラーさんと会話中に、Esty を紹介したのを契機に調べ直したところ、何とPayPal が決済手段に加わっていました。これで日本人にもEstyが身近なものとなりました。しかもサイトを日本語表示に切り替えることも可能です。

EstyはアメリカでAmazon、eBayに続いて規模的に３位にランク付けされています。会社発表では、現在のアクティブセラー数は約170万人、アクティブバイヤー数は約2,860万人、年間総売上（2015年）は約23億9,000ドルといった規模です。eBayやAmazonのアクティブセラー数やバイヤー数は明確に分かりませんが、年間総売上はeBay約820億ドル（2015年）、Amazonが約1360億ドル（2016年）です。Etsyは両者に大きく水を空けられていますが、それだけにセラー間の競争もやや緩いとも言えます。

Etsyで特記すべきは出品の容易さと手数料の安さです。出品はメルカリのような感覚で可能です。そして手数料は販売額の3.5%であり、eBay、Amazonと比べるとダントツに安くなっています。出品する際には１アイテム毎に0.20ドルの手数料が掛かります。出品は4ヶ月間有効で、この間に売れずに再出品する場合はまた0.20ドル掛かります。

Etsyでは商品説明やショップ説明の中に自分のfacebookページ、InstagramやTwitterアカウント等を含めることができます。自分のページ、アカウントにトラフッィクを誘導して、扱い商品を周知させるなど、工夫次第では、様々な方法で販売拡大を図れそうです。

一つ注意しなければならないのは、Etsyで販売できる商品は自分で作成したオリジナル商品、オリジナル商品作成に必要なクラフト素材、そしてビンテージ商品となります。ビンテージ商品というのは製作、生産から20年以上経過した商品を指します。多くの日本人セラーが扱っている中古カメラやカメラレンズ、中古ブランド製品等は、大概、ビンテージ商品の範疇に入ります。しかし、新品、新古品を扱っているセラーさんはEstyは利用できません。

まとめ

販売チャネルの複数化は販売機会の増大に加えて、突然のポリシー変更やアカウント停止処分に対するリスクヘッジになります。中古品を扱っている方は、eBayに加えて、出品までの敷居が低く、手数料も安いEtsyを自分の販売チャネルとして、是非、確立しましょう！おそらく自分一人で大きな支障もなく出品までたどり着けると思いますが、コレット会員の皆さんには簡単な出品マニュアルを作成してお渡しするつもりです。

Etsy公式サイト → https://www.etsy.com/jp